【fr24feed】Raspberry Pi Zero で作る ADS-B 受信機

2019年も終わりに差し掛かってきていてびっくりしています。今年ももう冬コミの季節ですね。

さて、一度見たことがあるかもしれない飛行機レーダーの Flightrader24、これの情報は実は世界各地の有志によって提供された情報に基づいています。
これらの情報は比較的簡単に受信することができ、Flightrader24 に情報提供することもかんたんに行うことができます。

そして Flightrader24 に情報を提供すると、なんと $49.99/月 のビジネスアカウントを無料で使うことができるのです。
今回はそのビジネスアカウントがほしいので情報提供する環境を整えてみました、というお話です。

用意するもの

・RTL2832U + R820T(2) の SDR チューナー(後述)


・受信用のアンテナ(チューナー購入時のものを使用)

・PC
 今回は Raspberry Pi Zero W を使用



これだけあればできます。

チューナーのお話

これを選び間違えなければほぼノントラブルで環境構築できるはずです。

秋葉原等で激安で転がってるワンセグチューナーはドライバを入れてあげると不思議なことに SDR のチューナーとして使用できるのですが、残念ながら ADS-B に使えないものが存在します。

秋葉原で300円で購入したワンセグチューナー
こちらと同じものだと思います。

復調部の IC は RTL2032U のものがほとんどなのですが、チューナ IC の部分が物によって異なってきます。

上記のワンセグチューナーは FC0012/13 が使われています。
ADS-B では 1090Mhz帯を使用しており、 FC0013 は 22~1100Mhzまでなので一見いけるようですが実際には無理なようです。

R820T(2)のものであれば 24~1766 Mhz なので ADS-B の受信が無事できるというわけなのです。

結論:同じ RTL2032U でも FCxxxx ではなく R820T(2) のものを選ぼう

ちなみに私がアマゾンで購入したものはこちらです。
Aliexpress ならもっと安く売ってるっぽいですね。

アンテナも上記アマゾンの商品の付属品で問題なく動作しています。

PCのお話

本当は現状のサブマシンの Windows PC で情報提供用の fr24feed を動かそうと思っていたのですが、どうやら今年の5月ぐらいから Windows からの情報提供を停止したそうです。
ダウンロードができなくなってるだけでなく情報提供ごと停止してしまっているので Windows だとどうしようもないみたいです。
今年頭に Windows で fr24feed している記事なんかもあったりするので混乱ポイントです。

現状使うには Linux か macOS が必要になってきているのですが、Raspberry Pi の環境ならなんとコマンド1行でインストール可能になります。(その後の対話式セットアップは必要ですが)

私は Windows PC でできないことが発覚し、余ってる PC もなく、安価で以前から1度使ってみたかった Raspberry Pi の環境で構築することにしました。
今回は Raspberry Pi Zero W の環境で構築しました。
Zero を選んだ理由は、とにかく安価で現状他にそのラズパイ上で動かすものがないこと
W を選んだ理由は極力配線をシンプルにするために Wi-Fi を使用したかったからです。

セットアップ

Raspberry Pi に NOOBS 又は通常の Raspbian をダウンロードして microSD カードに焼きます。
microSD カードは FAT32 でフォーマットされていないと起動しないので、microSDXC カードの場合は要注意です。(Windows の場合外部ソフトを入れてフォーマットする必要がある場合がある)

ディスプレイ・キーボード・マウス不要で USB ポート経由でインストールやセットアップもできるようですが、今回は素直に GUI でセットアップし、初期設定後に設定から CLI の設定にしました。
Raspberry Pi Zero の映像出力は miniHDMI なので、通常の HDMI ケーブルを使用するためには変換アダプタが必要になります。
以前ダイソーで見たことがあったのですが、いざ買いに行ったらなかったので泣く泣く500円するアダプタを買いました。


(そしてこれを買った後日に出先のダイソーにふらっと寄ったら100円で売ってて悲しくなりました)

セットアップ自体は特段難しいことはありません。
私の場合は W なのに Wi-Fi や Bluetooth が認識されずネットにつながらずに2日ほど無駄にしましたが、結論から言うと初期不良品でした。

あれこれ試してもだめで交換品でセットアップしたら何事もなく Wi-Fi が認識して驚いてしまいました。
また交換品が届いて気づいたことなんですが、初期不良品は基板上の LED が光りませんでした。(使ったことがなかったのでコストダウンで LED すら搭載されていないのかと思ってた)

初期設定を済ませ、SSH を有効化し、CLI にし、IP の固定(私はルータ側で行っています)、ファームウェアのアップデート等をしておきます。

また、予めフリープランの Flightrader24 のアカウントを作成しておきます。

Raspberry Pi 本体にチューナーを接続したら、あとは fr24feed の Raspberry Pi のところの項目をシェルにコピペするだけです。
これだけで必要なソフトウェアすべてが導入されます。素晴らしい。
また、Raspberry Pi Zero の場合は microUSB しかないのでチューナーを接続するために OTG アダプタが必要になります。

あとは対話画面の内容に従ってすすめるだけです。
途中、座標や標高が聞かれますが国土地理院の地図を使うとかんたんに調べることができます。

セットアップ後

セットアップし、デフォルトだと Pi の8754ポートにアクセスするとステータスが見れます。

また、Flightrader24 の My data sharing からも確認できます。




南側の窓の外のベランダに設置しているため、北側の航空機の情報は少ないようです。

アンテナの設置ですが、付属のアンテナの底面に磁石がついていたので、ベランダに設置してある室外機の近くの磁石がつくネジのところに適当に設置しています。いずれかはどうにかしたいですが適当な状態でも空が見えれば受信できるようです。

設置のハードルはそこまで高くないと思います。(アンテナのケーブルが届く範囲にラズパイを設置できれば)

さいごに

Raspberry Pi な環境での fr24feed はものすごく簡単で驚きました。
初期不良などのトラブルがなければ数時間もあれば環境構築ができそうです。
(たぶん OS のインストールとアップデートが死ぬほど時間かかる)

チューナーイジイジするのが好きな方、飛行機が好きな方、Flightrader24 の有料アカウントを使ってみたい人は試してみてはいかかでしょうか。

かかった費用
Raspberry Pi Zero W: \1,470
SDカード: 余り物 0円
OTG: 余り物 0円
AC アダプタ: 余り物 0円
miniHDMI 変換アダプタ: \552
使わなかったチューナー: \300 (くらい)
使ったチューナー: \1,699

総費用としては \4,021 ですが余り物使用する前提で必要最低限のラズパイとチューナー買うだけならもっと安く済みそうです。
ラズパイも Zero W ではなく Zero を使用しチューナーも海外通販で安く手に入れることができれば1000円台での構築も夢では無さそうです。

参考




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